表参道スパイラルで紹介された縦ストライプの小倉織(こくらおり)

 表参道にあるスパイラルから出てくるところに、気になるものがありました。日本のファッションブランド「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の文字がちらっと見えたのです。おもしろい仕掛けをするアンリアレイジがここで何をしているのかと興味がわきました。扉から一旦は出てしまったのですが、戻って中に入るところで少し離れた距離からはグレーに見えるパンツが吊り下げられていました。

 北九州市小倉で、小倉織(こくらおり)の技法でデニムを作る「KOKURA DENIM」ブランドが、アンリアレイジの森永邦彦氏の協力でゆったりとしたデニムパンツ「ハカマデニム」を作りました。見た目はゴワゴワしてますが、実際には柔らかい触感でした。白黒の糸が混じって編み込まれていたので、離れるとグレーに見えたようです。ハカマデニムは昨年2022年9月に発表された商品です。

 スパイラルでのこのイベントのために北九州からきていた店員の方が、小倉織について説明してくれました。染織家の築城則子(ついき のりこ)さんは昔の小倉織の端切れを見つけ、それを基に一度は途絶えてしまった小倉織を復元しました。「小倉縞縞(KOKURA SHIMA SHIMA)」は築城さんがデザイン監修するブランドだとわかりました。小倉織は経糸(たていと)が緯糸(よこいと)の2~3倍の密度で織られるため、たて縞になり、それが小倉織のデザインの特徴ということでした。

シンプルBAG 折りたたんで置かれていました。

 こちらの商品である「シンプルBAG」は、畳まれて置かれていました。模様を平面で確認でき、たて縞がはっきりし、デザインがよくわかります。

たて縞をあえて横に使ったリボンバッグ

 カラフルなバックが置いてありました。「リボンバッグ」です。小倉織は たて縞が特徴なのに、リボンバッグはストライプが横になっています。このことをさきほどの店員の方に聞いてみたところ、「あえて、たて縞を横方向にしました」ということでした。ちょっとしたアイディアでしたが、なかなか思いつかないアイディアでもありました。

 ストライプデザインのタオル地ハンカチはやわらかそうでした。これも聞いてみたら、今治タオルとのコラボレーションで、小倉縞縞のデザインをハンカチに施した商品でした。

 冒頭の写真にあった壁面アートは、小倉織にプリーツをかけて扇型に広げた作品でした。今回の展示会のために作成されたということです。

 今回の小倉織の「KOKURAORI Exhibition」は、2023年5月1日まで開催予定です。

リボンバッグの横に小倉織の説明があったのですが、写真ではライトが反射していました。文字起こししたのが、下の説明です。

小倉織

豊前小倉藩の特産「小倉織」は 江戸時代初期より 袴や帯などとして織られ 日本全国で珍重されていました。
かの徳川家康も愛用した 丈夫で、しなやかな質感の木綿布。多用した経(たて)糸が色のリズムを生み 立体感溢れる たて縞が特徴です。時には力強く、時にはやわらかく 表情を変えて、現代に息づく。

「縞縞 SHIMA-SHIMA」は 染織家 築城 則子氏の デザインにより生まれた 新しい小倉織です。

縞縞 SHIMA-SHIMA KOKURAORI

 

(2023年4月20日)