香港国際空港 ー もう一つのターミナル「拡張T2」のバス発着ホールが先行して稼働開始

2025-09-27 オフ 投稿者: -

 香港国際空港は昨年2024年11月、滑走路を従来の2本から3本の体制へ移行し、次の段階として現在はターミナル施設を拡大しています。その「拡張T2(Expanded T2)」計画の第一段階、コーチ・ホール(Coach Hall、長距離向けバス発着ホール)が2025年9月23日に予定通り供用を開始しました。
 台湾やフィリピンに大きな被害をもたらした台風18号(ラガサ、Ragasa)は9月23日から24日にかけて香港にも影響を及ぼし、特に24日には香港の台風警報で最も高いシグナル10が発せられるほどでした。23日夜時点で空港内に乗降客は残っていなかったということですが、台風のピークを前にコーチ・ホールの稼働開始作業が完了したことも空港のプレスリリースで発表されました。

 コーチ・ホールはT1(ターミナル1)到着フロア出口のさらに先(東側)にあった従来のT2(ターミナル2)の位置に作られたもので、新しいT2もこの場所を中心に展開されます。一時的に2カ所の屋外駐車場に移っていたクロス・ボーダー・コーチ(空港と中国大陸を結ぶ長距離バス)、ツアーバス、リムジンバス、香港居住者用バスなどの発着場が屋内に集約されました。
 なお、香港市内行きなどの公共バス乗り場、タクシー乗り場に変更はなく、到着フロアから傾斜のある通路で地上に出た先にあるということです。

 3本の並行した滑走路は中国大陸側から北滑走路(North Runway)、中央滑走路(Centre Runway)、南滑走路(South Runway)と呼ばれています。2022年11月に北滑走路が完成し、昨年2024年11月には中央滑走路の整備も終わって、滑走路3本体制(3RS、Three-Runway System)が始まりました。T1は中央滑走路と南滑走路の間にあり、北滑走路を発着する航空機は中央滑走路を横断してT1との間を移動しています。
 拡張T2は、新しくできた北滑走路と整備が終わったばかりの中央滑走路の間に搭乗ゲートのあるコンコースを作り、今回スタートしたコーチ・ホールのあるT2との間をシャトル・トレイン(APM、Automated People Mover)で結んで、輸送力を増強する計画です。

 来年2026年第2四半期(4月~6月)には、現在T1にある航空会社チェックインカウンターの一部がT2に移り、保安検査場など出国設備も完成する予定です。また、コンコースは2026年後半から2027年初めに完成する計画で、その段階で拡張T2が全体として本格稼働することになります。

 現地報道によると、T1からT2へ移転する航空会社は香港エクスプレスや香港航空など15の東南アジア系航空会社ということです。日本からの利用客が多いJAL、ANAやキャセイ・パシフィックはT1で変更はないようです。ただ、香港エクスプレス、香港航空は成田発着などの日本便があります。T2カウンター開始時期に帰国する場合はカウンター変更に注意しておいた方がよいでしょう。

(2025年9月27日)