大分空港 大分市内と連絡するホーバークラフト便が7月26日から運航

2025-06-30 オフ 投稿者: -

 大分市内と大分空港を結ぶホーバークラフト便が、来月7月26日に就航します。

 ホーバークラフトは空気を垂直に吹き出し、その浮力で海上を滑るように移動する乗り物です。フェリーに比べて高速で運航でき、大分市の西大分港と大分空港の間を、所要時間約35分で結びます。運航は1日4往復、計8便の予定です。 

 7月26日からの運航時間は、平日の西大分港発・大分空港行きの出発時刻は6:55~12:55、大分空港発・西大分港行きの出発時刻は8:35~14:20。

 土日祝日の西大分港発・大分空港行きの出発時刻は6:55~12:40、大分空港発・西大分港行きの出発時刻は8:35~16:55となります。

 

 気になるのは大分市の繁華街の中心であるJR大分駅前から西大分港のホーバーターミナルおおいた(西大分)へのアクセスです。

 大分駅前のバスターミナルからホーバーターミナルへは2系列のバスがあり、最寄りの「春日浦」バス停までの所要時間は約10分。バス停からホーバーターミナルへは徒歩約10分です。ただし、2系列のバスの運行間隔はそれぞれ1時間に1本程度。2系列合わせても1時間に2本程度ですので、アクセスが必ずしもいいとは言えません。利用する場合は、事前にバス時刻表などで確認したほうがよいかもしれません。無料の直行バスも検討されているようですが、現時点では確定した情報はありませんでした。

 参考までにJR日豊本線の最寄り駅は西大分駅になります。大分駅から一駅、所要時間は3分ですが、運行間隔は1時間に1、2本程度で、西大分駅からホーバーターミナルまでは徒歩約24分です。

 

 大分空港側のホーバーターミナルおおいた(国東)は大分空港ターミナルからバスターミナルを通り過ぎた先にあります。埋め立てて造られた滑走路と陸地の間に海と接続する傾斜路があり、専用の走行路がホーバーターミナルまで続いています。

 片道の大人料金は現地での支払いの場合2500円、事前にアプリを利用して支払いする場合は2000円となっています。現在のところ、往復料金は発表されていません。大分空港と大分駅前の直通バス料金は大人片道で1600円ですので、アプリ決済料金との差額は400円です。

 

 ホーバークラフトはイギリスのグリフォン・ホーバーワーク社製で、全長26メートル、定員80人、最高速度は45ノット(時速約83km)です。予備機も含め3隻あり、1号機から「Baien(梅園)」「banri(萬里)」「Tanso(淡窓)」と命名されています。3号機の「Tanso」は2024年2月に大分湾へ到着しました。

 事業スキームは大分県がホーバークラフトを購入、ターミナル施設も建設したうえで、民間事業会社の運航会社である「大分第一ホーバードライブ」に貸し付ける上下分離方式を採用しています。県は3隻のホーバークラフトを42億円で購入しました。

 大分第一ホーバードライブは、福岡証券取引所に単独上場している第一交通産業の子会社です。第一交通産業は北九州市小倉北区に本社があるタクシー事業を中心に展開している会社です。船舶事業では、すでに沖縄の観光船事業を手掛けており、今回、新たに大分空港の連絡アクセス事業にも進出しました。

 また、大分第一ホーバードライブは昨年2024年11月末に、土日祝日限定で別府湾を周遊する不定期航路を始めています。

 

 現在の大分空港は1971年に開業し、当初からホーバークラフトによる大分市内との連絡アクセスが行われていました。

 しかし、当時のホーバークラフト機を製造していた三井造船が事業から撤退し、機材のメンテナンスが難しくなり、2009年に運航は休止されました。

 今回は、当時使用されていた設備などを活用し、16年ぶりにホーバークラフト便が復活する形になります。

 ただ、大分空港への自動車アクセス道路の整備も進み、マイカーやバス、タクシーによる自動車アクセスの利便性が向上しています。このため、ホーバークラフト便の優位性は以前に比べ薄れており、今後はホーバーターミナルへのアクセスがどのように改善されるかがポイントになりそうです。

  

    

 (2025年6月30日)

 JR大分駅前から西大分港のホーバーターミナルへ無料シャトルバス運行を発表 

 2025年7月15日、JR大分駅前のバスターミナルから西大分港のホーバーターミナルまでの、無料シャトルバスが運行されることが発表されました。

 ホーバークラフトの出発25分前に到着する時刻表になっています。(出発20分前に乗船開始)

 大分駅前のバスターミナルから西大分港までは約11分の所要時間となっています。

 

 また、7月21日(月・祝)には26日の正式運航まえにアクセス便の乗船会を実施しました。土日祝の運航スケジュールで実施され、運航が始まる7月26日からと同じ運賃が適用されるということです。

(2025年7月21日)