エビせんべい「ゆかり」の坂角総本舗が台北・中山駅近くのデパートに出店
台北観光にも便利な台北MRTの淡水信義線
台北旅行でバスツアーではなく自分で市内を見て回ろうという場合に使いやすいのが、地下鉄の台北MRT(Mass Rapid Transit、大量高速輸送システム)です。市内の中心部を走る路線の中でも、路線図で赤い線で描かれている「淡水信義線」は台北101、中正紀念堂、士林夜市、若者の繁華街である東門、さらに国立故宮博物館へのバス接続駅があり、主な観光名所を巡るには便利な路線となっています。
そして淡水信義線は台北車站(台北駅)を通ることでも便利です。台湾鉄路(台鉄=在来線)、台湾高速鉄路(高鉄=HSR)にはすぐ乗り換えられ、空港MRT(桃園機場捷運)、バスターミナル(台北轉運站や国光客運バス発着場)は多少歩きますが台北駅の周りに集まっています。

台北駅の一つ隣、中山駅のまわりにはホテルや大型商業施設も集まっています
淡水信義線で台北駅の北隣が中山站(中山駅)です。台北駅と中山駅の間に地下街があって、台北駅から歩いて中山駅へ向かうこともできます。中山駅の周りに台北當代藝術館(MOCA Taipei/台北当代芸術館)があるほか、リージェント台北、オークラ プレステージ台北、ホテルロイヤルニッコウ台北などの有名ホテルも集まっています。カフェやブティック、デザインショップなど人気のお店が多く、若い人たちがやってくるほか、中山駅の徒歩数分の場所には新光三越南西店、誠品生活南西などの大型商業施設が並び、家族連れも訪れます。

中山駅近くのデパート、新光三越には日本のエビせんべい「ゆかり」の坂角総本舗が出店
その中の新光三越南西店では9月24日に地下2階がリニューアルされました。行列ができる小籠包の鼎泰豊があるフロアで、いくつかの新しい店舗が入り、その一つが日本の坂角総本舗(ばんかく・そうほんぽ)でした。エビせんべいの「ゆかり」で有名なお店です。
「ゆかり」ーーとは
「ゆかり」ーーとは縦横が約6〜7センチのほぼ丸い形で 薄くて少し固いパリパリとしたエビせんべいです。
坂 角次郎(ばん・かくじろう)が1889年(明治22年)に現在の愛知県東海市で自分の名前を冠した坂角総本舗(ばんかくそうほんぽ)を創業します。この地域で伝わっていた、海老のすり身を天日干しにした「生はんぺい」を、角次郎は火鉢(炭火)で焼き上げて、しょうゆをつけて食べる「生せんべい」に仕上げました。その後も、改良を重ねて現在の味に変わっていきます。
ゆかりに使われるのは三河湾、瀬戸内海、ニューギニア島近海で取れた天然エビで、殻と頭、尾を取り除いたむき身だけを使います。馬鈴薯でんぷん、小麦粉、砂糖、塩などを加え種生地にしますが、全体に占めるエビむき身の比率は約7割です。1枚分の種生地を絞り出し、2枚の鉄板ではさみ焼きします。一枚一枚形が少しずつ違うのは、型に入れることなく、はさんで押し付けるだけだからのようです。そうして一度焼いたものを7日間以上乾燥させたうえで、炭火に近い遠赤外線網焼き器で焼き上げています。
1966年(昭和41年)に商品名を現在の「ゆかり」にしました。「縁」と書いて「ゆかり」と読みます。人と人を結びつけるお菓子という願いが込められた名前ということで、贈答品やお土産物として重宝され、デパ地下や、空港のお土産物コーナーなどに広がりました。
海外展開では2011年にシンガポールの高島屋に出店し、今回の台北の新光三越南西店への出店は海外進出2店舗目でした。

(2025年10月4日)